猛吹雪の中で一本梅を撮る。
ワークショップ前日に現地を下見。朝から夕方までワークショップをどう組むかを梅林を撮影しながら歩いた。
そしたら、突然の雹、霰、霙、雪、雨。おまけに強風という特典付き。
これはツライ、キツイ、キビシー
例えて言うならば、滝修行のようなもので、全身雨でグッショリ濡れた上に強風を当てられるという罰ゲームみたいな。雨の中に雹、霰、霙、雪が混じり、顔に当たって痛い。これもまた修行。思わず般若心経でも唱えたくなる。南無〜
が、こんな厳しい条件下の中での撮影は逆に燃える。アドレナリンの方が勝ってしまうのである。観光客のほとんどが屋根のある場所に避難してても、私は傘も差さずに撮影する。突風に煽られてカメラがブレブレになりそうな時は近くの鉄柱に身体をくっつけ固定してシャッターを押す。鉄柱の冷たさがジャンパーを着てるのにジンジン伝わってくる。
そんな中、一本だけポツンと佇む一本梅。周りに他の梅は見当たらず、このコだけがそこに鎮座していた。ビュービューと吹く風に雪が混じり、厚い雲に覆われて薄暗くなった。チャンス到来。ここで会ったが100年目。何枚も続けてシャッターを切る。その中の一枚がこちら。
周辺減光など手を加えていないのに、梅周囲が暗くなり、主役の一本梅が浮かび上がった。とても印象的な一枚。他のカットもあるけど、雪と梅周りの背景も写ってる。この1枚のみ何故か不思議な雰囲気。天から与え給えしギフトである。
「逆境こそがチャンス」と時々耳にするが、まさにこの日がそれであった。撮影中は夢中なのでアドレナリンが出て寒さは半減するが、撮影終了して車に戻ったら、全身濡れ鼠である。宿へ直行し、チェックインして荷物置いたら、速攻で温泉にダイブ。
身体の芯まで冷えていたので、猫肌の私には珍しく長風呂。あったかい湯が身に染みる。あらゆる毛穴から温泉に含有されてる成分を吸収しまくることで、冷え切った肉体を本来の姿に復元することが出来た。
ワークショップでは参加されてる生徒さんに作例をお見せしながら説明をするのだけど、ワークショップ当日は快晴。こちらのカットを作例として見て貰っても、快晴下では撮れまへん。なので、別の切り口で標準、中望遠、マクロ。時には広角。色々なレンズを使って梅を被写体にしてチャレンジして貰いました。
昨今のコロナの影響もあって、全員マスク持参でのワークショップ。これが撮りづらいのなんの。正直邪魔。マスクの上から自分の息が蒸気となって、カメラのファインダーを直撃。なんかふんわりしてファンタジーなソフトフォーカスがかかってる〜となり、遂には真っ白になってファインダーが曇って、小指で拭き拭き。
ワークショップは生徒さん全員を見ないといけないので大変だけど楽しい。やっぱり、交流しながらのアドバイスのほうが、生徒さんにも直にストレートに伝わるから好きだ。
今日日曜日は朝からあいにくの雨。今日は修行はしない。北海道で撮影した沢山ある写真データの現像作業をチマチマ処理していく。自宅兼事務所に引きこもって誰にも会わず、コロナにも出会わず、黙々と作業することにしよう。
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