オラ、ケタール!
二週間に及ぶヒメボタル撮影遠征の旅を終えて、自宅に戻って蓄積していた疲労が一気に怒濤のごとく瓦解し、ぶっ倒れた。ノックダウンされた姫仙人である。丸二日間ほど寝込んでしまった。体重も激減していた。もう無理が利かなくなったお年頃。我ながら情けなや。
日本各地を転々としてヒメボタルの撮影を行えた事は、各地の森の情報提供を頂いた皆さんのおかげである。この場を借りてお礼を申し上げたい。もしあなたの村でヒメボタルが光ってるならば、是非とも情報をご提供頂きたい。国内外問わず、参上仕り候。
色々な場所を撮影して回った訳であるが、その中には余りにも有名過ぎて、作品をネットに挙げられぬものが幾つもある。その作品については私のディバイスに入れておくので、見せておくれやす~と京都弁ではんなり仰って貰えれば、いつでもご披露しよう。
今回の遠征で悩まされたのは「雨」である。この雨には泣かされた。機材の調子が悪く。一応撮れるようになったが、半分故障となったカメラもある。機能の一部が作動しなくなっているが、ホタル撮影には何とか使える。修理センターに出すと修理代がかかるので、そのまま使うことにする。
昨年までは遠征しても三日間ほどであったが、長期遠征を可能としてくれたのがポータブルバッテリーの存在だ。前にも書いたが、USB充電だけでなくパソコンのACアダプターに対応しているので現地で画像の仮組みが出来る。おかげで森の中で過ごせるのである。そして、場所を移動する時に車のシガーソケットに繋いで充電。もうバッテリー切れの心配をする必要がなくなった。無敵である。
食料は前もってスーパーで大量に買い込んでいたパンとカップ麺。この二択しかない。飛行機に乗ると、ミールタイムに「Beef? or Chicken?」とキャビンアテンダントから訊かれるが、「Bread? or Noodle?」と姫仙人が訊いてきて、姫仙人自身がどちらかを選択して口に運ぶのである。それは食事というより、もはや作業の一部。撮影しながらパンを頬張る。そんな日々を続けた。道理で体重が減る訳だ。パンにおいては、二週間目に青い斑点が出てくるものも出てきた。姫仙人ともなれば、そんなことは気にせずに目をつぶって食べる。が、舌は正直である。その青い斑点の味覚を感知する。クロワッサン系のパンなのに、なぜだかカマンベールのようなブルーチーズのような味がした。もしかしたらペニシリン効果で薬効もありそうだ。なんだかちょっと得した気分である。
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さてさて、肝心なヒメボタルのお話。興味深いことに、各地によって様々。まず、出る時間帯がバラバラ。夕暮れだったり、夜更けだったり、深夜だったり。この発光時間に翻弄される。夕暮れ型だと、とても助かる。なぜなら撮影が早く終了し、あとはのんびり。睡眠時間もたっぷりとれる。困るのは深夜から明け方にかけて光るタイプ。空が白み始めるまで光る。これに付き合うと、明け方に寝る事になる。太陽が昇ると車中がオーブンとなり、こんがり姫仙人の焼き上がり。さあ召し上がれとなるのである。
それから、雨とヒメボタルの関係。これも様々。ある場所だとザーザー降ってる中でも活発に飛んでガンガン光ってくれるのに、別の場所だと、ほんの僅かなパラパラした雨でも光が少なく且つ弱い。あまりに光が薄暗くて、カメラの感度設定を1段上げないと撮れない事もあった。
そうだそうだ、雷の日もあった。この日は夕暮れ族を撮った後に場所移動して姫撮影のハシゴをした日。背景は奥が真っ暗。こういう場所は先に夕刻に前もって光のあるうちに撮影して、後の編集でコンポジットする手法を用いる。が、この日は稲光が走り、何回もフラッシュが焚かれたように背景が浮かび上がる。おかげで前撮り無しで雷の光で露光した背景をゲット出来た。雷様に感謝。
そんなこんなで遠征が終了。7/19に家に戻り、姫活を終了した。
今はただただ放心状態。兎にも角にも休息。まだまだ編集していない手つかずで塩漬けされたデータがあるので、コツコツ開いて作業しないといけないけれど、もう少し落ち着いてから。
今回アップの作品は「苔むした切り株」
切り株に向けてカメラをセットして、その背後にヒメボタルが飛べば成功。となる図を狙って見事的中。しっかり光が入ってくれた。そういや、この日も時々雨が降ってたなあ。この二週間の出来事なのに、なぜかずっと昔のように感じる。
身体がバテバテの中でも当ブログの更新が途絶えないように朦朧とした状態でアップをした。夜12時になる前にムクッと起きて更新した日もあった。なんとか毎日更新出来た。明日からは、まだ紹介していないカットを7月末までアップするつもりでいる。
8月以降の撮影の予定は白紙。そう、白紙に戻そう遣唐使である。
この二週間ずっと風呂に入っていなかったので、昨日はなんちゃって温泉に行って野獣の香りから開放された。現在はローズマリー&バジルの香りに包まれている姫仙人であった。
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