苔むした岩の周りを飛び交うヒメボタルの図
ヒメボタルと絡める物がないか。撮影の際に必ずチェックを入れる。ただ単純にヒメボタルを撮るだけでは得られない厚みが加わるからである。昨日は「切り株」、今回は「岩」。一見、何の変哲も無い森に佇む単なる岩に見えるが、角度を探ると格好良く見えてくる。後はこの岩の周りにヒメが舞えば、作戦成功となる。
岩の背景はまだ日が残る夕刻7時に撮影。なぜなら、夜が更けると森が真っ暗になるからだ。どんなに露光しても僅かな光も存在しない世界では、どんだけ頑張っても風景が浮かび上がらない。まさに漆黒の闇の世界。なので背景を前撮り。撮影後にコンポジット。
この日、ヒメが舞ったのは深夜。それまでは現場でただひたすら待つ。その間スマホをいじったりするような野暮な事はしない。そもそも我が輩、スマホなるものを持っていない。闇に入れば、闇に従え。ただ闇を見つめて、ヒメが光るのをただ待つのみである。
この日は幸いヒメが舞ってくれたが、場合によっては光がゼロで終わる事もある。光が来れば、待った時間も報われるが、ヒメが出てきてくれず、光がポツっとくらいで終了した日の精神的ダメージは大きい。ものの哀れ。打ち拉がれたまま車に戻り枕を濡らすのである。
この日は無事に撮れたので頭の中で祝杯をあげた。車生活なので、酒の缶があるともし職質を受けると、あらぬ疑いをかけかれないので、アルコール類は一切積んでいない。あくまで脳内乾杯である。
遠征二週間のあいだずっと、酒類ゼロ生活だったので、自宅に戻った時は真っ先に冷蔵庫を開けてリアル自分乾杯の儀を執り行った。俗に言う発泡酒なる庶民のアルコールを五臓六腑に注入した。
休息という名目の元、ここ毎日祝杯をあげている姫仙人であったとさ。めでたしめでたし。。。
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